2016年12月22日木曜日

みんな負けず嫌い

性格の話をする時に
 『負けず嫌い』
という言葉をを耳にしますが、負けるのが楽しいという人はいません。
子どもも同じです。
ましてや「負けるためにやる」なんて人は、八百長に加担する人以外にいませんね。

では、負けず嫌いってどんな人をイメージするでしょうか。
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 ・負けるのが嫌いだから努力する人
 ・負けたら悔しくて次は負けないぞ、と頑張る人
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こんなイメージが強いのではではないでしょうか。

しかし、負けず嫌いだからこそ、こんな人もいます。
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 ・負ける可能性の高いことはさける人
 ・負けるかもしれない努力はしない人
 ・負けるくらいならやらないほうがいいと思う人
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いかがでしょう。


 「やる気がない」「やる気が見られない」と見える子どもがいるかもしれませんが、私はそういう子を〝負けず嫌いな子〟と見ています。
負けず嫌いが強ければ強いほど、負けを恐れます。
一生懸命やったのに負けることは何よりも屈辱です。
ならば同じ負けなら一生懸命やらないで不戦敗のほうがまだましと考えるのです。

「やる気がない」と見えるのは「負けたくない、だから戦いたくない」なのではないでしょうか?
考えてみればそういう子は、〝究極の負けず嫌い〟とも言えます。

子どもはみんな負けず嫌いです。
それは悪いことではありません。

ただ、負けることやうまくいかないことは生きていく中でいくらでも出てきます。
「負けるのが嫌だからやらない」にはなってほしくないですね。

ではどうすればよいのでしょうか?
負けるのが嫌なのは、勝つことだけに価値を求めているからです。
〝挑戦すること〟〝努力すること〟〝その結果少しでも自分が成長していること〟に価値があると気がつけば、〝究極の負けず嫌い〟ではなくなるのです。

そのためにやることは、次の3つです。
 『挑戦の背中を押してあげること』
 『努力を承認すること』
 『成長をほめること』

私たち大人も今の競争社会で、どうしても勝ち負けを常に意識し、結果だけに注目しがちです。
挑戦、その過程の努力、そしてそこから必ず生まれている成長に目を向けていきましょう。
必ず子どもは前に歩み始めます。

2016年7月26日火曜日

なにくそ魂

 むかしと違って『根性論』『精神論』みたいなものが、否定されがちな昨今ですが、
〝人間は感情の生き物〟とも言われるように、心理的な要素抜きに私たちの行動を考えることはできません。

 どんなスーパースターでも一度も、負けたことや失敗したことの無い人はいません。
 そしてそのことをうれしい、楽しいと思う人もいません。しかし、負けたり失敗した時の行動には大きく二通りがあります。
 一つは〝悔しい、もう一度
 もう一つは〝ダメだ、あきらめた
です。

 色々と見ていて、これらの行動は、負けや失敗の度合い(惜しいかどうか)では無いように思います。
 全然成功には遠くても、「今度こそ」と挑戦する子もいれば、あと一歩だったのにあきらめる子はあきらめます。
 その根底には『なにくそ魂』が育っているかどうかがあるのではないでしょうか。

 これはけっして「なにくそー!」「チクショー!」と口に出すわけではありません。
 口や表情に出さなくても、黙々と淡々と次への挑戦をする子もいます。一緒です。心の底にある魂が次の挑戦への行動を引き出すのです。

 では、『なにくそ魂』はどうすれば育つのでしょう?

 「いつでも、なにくそと思え」と言ったところで育つものではありません。
 『なにくそ魂』のある子に共通しているのは、自分の力を信じる心を持っていることです。
 成功までの道のりには関係なく、「必ずできる」「いつかはできる」という気持ちを持っているかどうかなのです。
 オリンピックイヤーで最近テレビでもよく見かける朝原宣治さん(北京オリンピック陸上400リレー銅メダリスト)が「(私が35才まであきらめなかったのは)母が『今はできなくても、いつかはできるようになる』と言ってくれていたおかげ」と話しています。

 子どもたちの『なにくそ魂』が育つのに私たちができることは、こういった声かけなのではないでしょうか。

 「粘り強い子だよ」
 「前向きな子だね」
 「必ず成功する力を持っているよ」
といった子どもの内面を承認する言葉。
 「いつも応援しているよ」
 「大丈夫だよ」
 「信じているよ」
といった背中を押してあげる言葉こそが『なにくそ魂』が育つのに必要な栄養だと思います。

 負けや失敗はいやなことですが、私たちは負けや失敗から多くのことを学んできました。
 子どもたちの中に負けや失敗を恐れず、たとえ負けても再度挑戦する気持ちが育っていってほしいと思います。

2016年6月22日水曜日

ついつい

 最近話題のアドラー心理学では「人間の悩みはすべて対人関係の悩みである」といっています。


「どうしてオレは気が弱いんだろう」
という悩みがあったとしましょう。
自分と気の強さを比べる対象(人)がいるからそう思うのであり、そのことを評価する人がいるからそう思うのです。

 孤独だと思っている人も必ず誰かと関わっていますし、「オレは一人で生きていく」と言っても、今の社会で現実には不可能です。

 そして、その対人関係の良し悪しを決めるのが、コミュニケーションであることは誰もが認めているところす。

 ですが、私たちは対人関係に良い影響を及ぼさないコミュニケーションを、ついつい知らず知らずのうちにとっています。

 からかう
 皮肉を言う
 嫌味を言う
 小ばかにする
 無視する
 あてつける
 愚痴る
 ひやかす
 ちゃかす

……いかがでしょう?

 暴力を振るう
 暴言を吐く
 おとしめる
 いじめる
 侮辱する

などと違って、軽いものと思うかもしれませんが、どれも自分がされてうれしいものではありません。それなのに自分では他人にやっていないでしょうか?

 不思議なことにこれらのコミュニケーションは、自分が相手より上位にいると感じているときに使っています。だから親子関係(子どもに対して)で使われがちなのです。

 コミュニケーションでお互いが気持ちよくなれれば、その人との対人関係はよくなるはずです。
悪気があってやっているわけではありませんし、ほとんどは相手にいろいろなことに気づいてほしかったり、もっと頑張ってほしかったり、気を引き締めてほしかったり、相手を思ってのこと、相手と良い関係になることを願ってのものです。
それなのに……」

 わたしは『ついつい』をなくすために、言いたいことを素直に伝えること相手を笑顔にするコミュニケーションを意識するようにしています。
 とはいっても、まだまだ不十分ですが……

 まあ、日々努力していきましょう。『人間の悩み』を減らしていくために。

2016年5月16日月曜日

アウトプット

私ごとですが、最近忘れっぽくなっているなと実感します。(ToT)

年相応?
いえいえ、自分では絶対に認めたくないところです。

でも、「三歩歩けば…」はおおげさにしても、十歩歩くと忘れていることが結構あります。(^ ^;そして、十歩戻ってみると思い出す……情けないけど現実です。


忘れることで色々なロスをしていますので、これはいけないと、対策としてあちこちにメモ用紙や付せんを置いて、ちょっとでも忘れたくないことは何でも書き留めておくようにし始めました。

すると、不思議??
メモを改めて見なくても覚えていられるようになってきたのです。(@0@)
ただ単純に、頭の中に覚えておこうとするよりも、『書く』という行為をし、書いたものを目でも『見る』という行為をしたことで記憶が残りやすくなっているようです。

実はこれ、アクティブラーニングという学習方法で使う【振り返り】という手法からヒントをもらいました。
学習の最後にどんなことを学び、どのように理解したかを自分なりに振り返ってまとめることで学習定着率が格段に上がります。

私たちは普段の生活で、覚えておかないことがいっぱいあります。
頭の中に残しておこうとインプットを頑張るのですが、なかなか頭の中に残りません。
一度インプットしたものを自分のフィルターを通してアウトプットすることで、インプットしたものが残りやすくなっているのです。

アウトプットには「書く」「話す」「表現する」などがありますが、どれも五感を複数使うので、アウトプットしているつもりが再インプットしていることになるのです。
お子さんとの会話でも

 「今日の勉強で一番ためになったことは?」
 「今日、勉強したことを教えて?」

といったようなことは、子どもにとって振り返ってアウトプットする機会につながります。

振り返りのアウトプットが習慣になると様々な効果が表れてくると考えています。塾でも色々な場面にアウトプットを取り入れていきます。

ご家庭でも是非取り入れてみてください。
会話も弾みやすくなるかも(^。^)       

2016年4月8日金曜日

どうしたい?

 わたしは色々な場面で、
「どうしたい?」
 という質問をします。すると
「わからない」
 という答えがよく返ってきます。

「どうしたい?」は願望をきいているので、「わからない」という答えはやや的外れな感じがします。

 多くの子は
どうしたいか、わからない』
 のではなく、
どうしたらいいのか、わからない』
 のです。

 【どうしたい=願望】ですが、【どうしたらいい=正しい答え】なのです。
 つまり、正しい答えを見つけられない、正しい答えがわからないで困っているのです。

 どの子も〝なりたい姿〟〝ありたい姿〟〝こうなったらいいな〟〝こんなことしてみたいな〟という願望や希望、願いを持っています。しかし、こういった願いは封印し、〝どうしたらいいか〟〝どうすべきか〟〝どうしなければいけないのか〟という正しい答えを言わなければと考えてしまうのです。

 『したいパワー』と『すべきパワー』。
 どちらの力がその人のモチベーションに強くはたらくと思いますか? 


 ですから、わたしは
「わからない」
 という答えは返ってきたら、
「どうしたらいいかは別にして、○○はどうしたいの?」
 とあらためて聞きます。その子の『どうしたい』を引き出し、そのためにどうするかを考えていくようにします。

 また、聞いたときに「○○したい」という答えが返ってきても、何かしっくりと願いが伝わってこないことがあります。お父さんやお母さんに「心配をかけたくない」、「こう言っておけば安心するだろう」、という子ども心が発する『おりこうさんな○○したい』がその原因です。
 そんな時は、
「そんなふうに思っているんだ、えらいね」
 などと受け取ってから
「でも、本当の心の声はどうしたいって言ってるの?」
 と聞くようにしています。

 『したいパワー』は、『すべきパワー』より失敗を恐れますし、否定されると強いショックを受けます。ですから心の奥にしまいがちです。でもその力を引き出すと大きな前進を生みます。

 子どもたちの『したいパワー』を引き出していきましょう。

2016年2月15日月曜日

一所懸命

 日常生活の中で

 「一所懸命やる
 「必死にやる
 「力の限り
 「力を出し尽くす
 「精も根も尽き果てるまで
…などという言葉を使ったり、耳にしたりします。

 とても力強い言葉です。
 しかし、実際にそう言っている人で命を落とした人を見たことがありません。(笑)

 私も今までに『力を出し尽くした』と思うことが2度ほどあります。
 が、思い出せば、少なくとも呼吸はしていましたし、数分後には手や足を動かしていました。
 死んではいませんでしたし、力は残っていたわけです。(苦笑)


 だれもうそをついているわけではありません。
 そして本気で言っている場面が多いのも事実です。

 でも結果がともなわない、
 実際にそうやっていると思えない
 そんなことが多々あります。

 どうしてでしょう?

 では、実際に『一所懸命』とはどういう事でしょうか?

 たとえば「勉強を一所懸命やる」とは
 食事もとらずにやることでしょうか?
 休みの日に5時間勉強することでしょうか?
 短時間に集中して勉強することでしょうか?

 おそらく、人それぞれにとらえ方があるでしょうし、実はどういうことが一所懸命なのか、わからずに言っていることもあるかもしれません。
 『一所懸命』などの言葉は前向きでとても力強く聞こえる言葉ですが、とてもあいまいな言葉でもあります。
 あいまいな言葉は、それによって語調が柔らかくなり、会話をスムーズにする効果がありますが、一方で都合よくどっちつかずにすることもできる言葉です。

 「○○にとって、どうすることが一所懸命なの?」
 「どんな状態になっていたら、一所懸命やったことになるの?」

 一所懸命を具体化していくことで、実際に何をするのか、どのようにするのか、がイメージできるようになり、共有することでより行動を起こしやすくなります。

 無意識に使っている"あいまいな言葉"こそ、コーチングをするうえで大事なポイントです。
 是非あいまいな言葉にアンテナを働かせてみてください。