2016年4月8日金曜日

どうしたい?

 わたしは色々な場面で、
「どうしたい?」
 という質問をします。すると
「わからない」
 という答えがよく返ってきます。

「どうしたい?」は願望をきいているので、「わからない」という答えはやや的外れな感じがします。

 多くの子は
どうしたいか、わからない』
 のではなく、
どうしたらいいのか、わからない』
 のです。

 【どうしたい=願望】ですが、【どうしたらいい=正しい答え】なのです。
 つまり、正しい答えを見つけられない、正しい答えがわからないで困っているのです。

 どの子も〝なりたい姿〟〝ありたい姿〟〝こうなったらいいな〟〝こんなことしてみたいな〟という願望や希望、願いを持っています。しかし、こういった願いは封印し、〝どうしたらいいか〟〝どうすべきか〟〝どうしなければいけないのか〟という正しい答えを言わなければと考えてしまうのです。

 『したいパワー』と『すべきパワー』。
 どちらの力がその人のモチベーションに強くはたらくと思いますか? 


 ですから、わたしは
「わからない」
 という答えは返ってきたら、
「どうしたらいいかは別にして、○○はどうしたいの?」
 とあらためて聞きます。その子の『どうしたい』を引き出し、そのためにどうするかを考えていくようにします。

 また、聞いたときに「○○したい」という答えが返ってきても、何かしっくりと願いが伝わってこないことがあります。お父さんやお母さんに「心配をかけたくない」、「こう言っておけば安心するだろう」、という子ども心が発する『おりこうさんな○○したい』がその原因です。
 そんな時は、
「そんなふうに思っているんだ、えらいね」
 などと受け取ってから
「でも、本当の心の声はどうしたいって言ってるの?」
 と聞くようにしています。

 『したいパワー』は、『すべきパワー』より失敗を恐れますし、否定されると強いショックを受けます。ですから心の奥にしまいがちです。でもその力を引き出すと大きな前進を生みます。

 子どもたちの『したいパワー』を引き出していきましょう。