2012年9月11日火曜日

立場を変える

先日、息子とこの話(表題)をしました。
今、息子はポケモンカードに夢中です。
最初のころはポケモンカードを使って相手と戦うこと、勝つために工夫することを楽しんでいたように見えたのですが、最近は対戦に有利な強いカードやレアカードと呼ばれる特別なカードを欲しがり小遣いを無駄に使っているように感じました。

 「今、ポケモンカードの何が楽しいの?」 とききました。

 「バトルすること……」 と息子。

 「前よりは誰かとバトルするのが少なくなっているように見えるけど」とさらにきくと、間をおいて
 「いいカードを持っていると、気分がいいし……」 (間)

 「そうか。それで新しいカードを買いたいんだ」  
(略)

ポケモンカードにはどんどん買わせたくなる仕組みがあります。
次から次へと強くて見た目がカッコいいカードを出し、『こんなカードも出たよ』と宣伝します。子ども達は人より早くそのカードを手に入れたくなります。

しかし売っているカード(5枚一組150円)は中が見えなくて欲しいカードが入っているかはわかりません。入っていないと、「今度こそ」とついつい買ってしまうわけです。

そこで、こんな話を
 「立場を変えてみようか?○○はいつもは買う人だ。じゃぁ、作る人になって考えてみよう。作る人はドンドン買って欲しいよね。でも同じカードだけ作っていても売れなくなっちゃうから新しいかっこよくて強いカードを作る。少しずつ強くてかっこいいカードを作っていけば、子ども達は次々と欲しくなって買ってくれるよね。」

 「うん、、、、、、、でもそれってずるくない?」

 「ずるくはないよ。それは作る人の売るための工夫なんだよ。でもそうした工夫があるってことを知るとどう?」

息子はそのまま黙って考えています。でもそれは困って黙っている風ではありません。一生懸命考えを整理している感じです。

 「これはポケモンカードだけじゃないんだよ。例えばお店でAとBのジュースがある。Aの方が利益が大きいとすると、お店ではAの方を売りたいと思うよね。そのために
 【新発売のおいしいジュースです!
て大きく書いて目に付くところにAを置くと、Bを買おうと思って来た人も思わずAを買ってしまう。でも買って飲んでみたらやっぱりBの方がよかったってこともある。これはだまされたってことではなく、売る人の工夫に気がつかなかったってことなんだ。どう?立場が変わると考えが変わって、それを知ってるかどうかで色々と差が出るんだ。」

 「そっか」言い聞かせるようににうなずいてます。

 「サッカーだって、自分の立場でしかプレーしないのと、味方の他の選手の立場、相手チームの選手の立場を考えてプレーするのとではどうだろう?」

 「相手のことを考えてパスとかできる」

表情が変わりました。色々と考えて気づいたことがあったようです。


その後、別の場面で息子の口から
 「○○なら・・・」
という自分と違う立場の人に立った言葉も聞けました。とてもうれしかったです。

人は様々な立場で生きています。
しかし、それぞれの立場の時にその立場でしか考えられないことがよくあります。

これから自分の責任で生きていく中で、色々な立場に立って考えられることはますます大切だと思います。