2012年3月18日日曜日

県立入試問題について ~各教科~

 まずは、新聞でも話題になった数学から

高校によっては20点以下続出の高校があったと思う。
特徴は
・苦手な生徒の多い空間把握が問われる問題が多く、答えが美しくないことが上げられる。

これは私見だが、数学とは美しいものだと思っている。
〔難しそうな問題も解いていくとあれよあれよという間に整理されていき、最後は非常に分かりやすいすっきりとした答えになる。〕
こういう問題は解いていて楽しいし解いたという実感がわいてくる。
答えが出た瞬間にあっていると確信できるような達成感のある問題こそ良問だと思っている。
今年の解答には
 
 
 
といった美しくない数字が並ぶ。
一所懸命解いてこの答えでは達成感は乏しい。
また、新聞でも取り上げられた問2の(1)はあとの設問からやったほうが簡単に解けるという今までに見たことのない問題である。
また、問4の(2)①のようにその答えに意味を感じない設問もあり、解いて正解だった子より勘で当たった子の方が多かったのではないかとも思える。

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理科は
多くの単元があり、試験ですべての単元を問うことはできないため、
単元については何年かに一度の頻度で出題される傾向であるが、
今年は昨年に引き続き出題された単元が3つほどあり、極端にヤマを張った人は
ヤマが外れたということになったと思う。
逆に言うとその単元は来年は出題する側も非常に出しにくくなってしまった。

さらに第一分野、第二分野の両方で深く扱う酸素と二酸化炭素に関する問題が
一問も出題されなかった。
中学では酸素・二酸化炭素に対する理解が非常に重要だと思うので
このことに触れなかったのはどうかと思う。

さらに計算問題で0.3という答えと1.5という答えがそれぞれ同一設問中で続いたのは
子どもをおおいに戸惑わせたと思う。
本当に自信のある子なら問題ないと言うことだろうが、
初めての舞台で緊張している子どもにとって同じ答えが続くのは、
どちらかが間違っているのではと不安になったことだろう。
高校入試としては敢えて同じ答えを続けるのに何の意味があるのだろう。

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国語はとにかく「書き抜き」を含めて記述問題が多かった。

そして小説を題材にした問題は、「問題」を感じた。
国語の問題とはいえ、必ず客観的に正解と判断できる材料がなければならないがあの
私にはそれが乏しいと感じた。解答に出題者の主観を感じてしまった。
また、心情を問う問題で「適切でないもの」を選ぶものが2題あった。
四択から適切でないものを選ぶということは、その文脈から3つも心情がよみとれるということ。
1つの文脈からいくつもの心情を読み取れるものを出題することのはどうだろう。
やはり客観的に正しい心情と説明しづらい選択肢が混在していた。

記述が多いということは、採点する高校側も大変だったことと思う。

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社会も解答に疑問を感じるものがいくつか見られた。

問1の(1)ではオーストラリアの中央部が人口密度が低いことを
「降水量が1年中少ないから」
としているが、他の選択肢と比較しての消去法でいくとこの答えになるが、
これだけとは言い切れないので、この問題を通してそれだけと思う子どもが出てしまう恐れがある。

問4では「製造物責任法」を答えさせる問題で漢字で答えるようになっている、一般的に使われているPL法ではだめで製造物責任法でなければいけないのか理解できない。おそらく問題資料の出典に「家電製品PLセンター資料より作成」となっているためと思われるが、難易度を上げるための問題と思われても仕方ない。

全体として非常に細かい点に着目している問題や解答の選択肢が多く、平均点は下がっているだろう。

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いよいよ、あすは合格発表である。
子どもたちに笑顔があふれることを祈っている。
そして各教科の平均点が気になるところである。

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